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最先端の油圧テクノロジーを造波装置に活用する
文書:Dieter Kleiner(ドイツムーグ、油圧制御設計)、Ulf Resmusson(北欧/北東ヨーロッパ担当ビジネスマネージャー)
船舶海洋技術が日進月歩の進歩を遂げる中で、高精度の再現可能な試験を実行できる模型試験施設のニーズが、極めて高いものとなっています。MARINTEKは、世界最大級の海洋模擬実験装置「Ocean Basin」を保有しています。この装置の大きさは長さ80m、奥行き50m、深さ0~10m(調節可能)で、短辺のダブルフラップと長辺の144枚のフラップ列によって波を起こし、海の状態を再現します。また、同施設には模型船を自由に航行させるキャリッジシステムが設置されており、あらゆる角度の波に対して最大5m/sの速度で走らせることができます。
MARINTEKは、1981年に建造されたこの海洋実験施設「Ocean Basin」に最新技術を導入する改修プロジェクトにムーグの参加を求めました。このプロジェクトで同研究所は、システムの安定性と信頼性を向上させることに加え、より広い領域により大きな波を起こし、波の方向もより柔軟に制御するなど、性能面での改善を目指しました。最大で高さ0.4mの再現性の高い波を最短で1.6秒ごとに作り出すため、すべてのフラップに対して、0.1°刻みの精度が求められていました。

その他の重要な性能要件としては、自己監視機能を搭載することが求められました。これは、時間当たりの運転コストに加え、人の安全に関する試験結果の影響の大きさと、実験した船舶やプラットフォームの建設にかかる投資額が考慮された結果です。新たなソリューションには、波形計算システムや測定装置などの既存の環境への統合化と、将来の拡張にも対応できる柔軟性が要求されました。すでに700 kW(952 HP)の油圧設備が稼動していることから、油圧ソリューションの利用が最良の選択であることは明確でした。
導入されたソリューションは、144本の油圧シリンダから構成され、その1本1本がムーグのD636軸制御弁(ACV)によって制御されます。これは軸制御機能を備えたサーボバルブで、各シリンダの位置センサーは、このサーボバルブに直接接続されます。D636は位置ループを閉じ、各制御ループと位置センサーの自己監視など、追加の機能を提供します。
合計12台のMSCが波形計算システムに接続され、設定点データ、実際の位置ならびにステータス情報を各バルブから受け取り、送信します。こうしたハードウェアの他にも、IEC 61131に準拠したムーグ軸制御ソフトウェア(MACS)の開発環境を使ってアプリケーション開発が行われました。
最初に、油圧シリンダ、位置センサー、軸制御弁ならびにMSCコントローラをそれぞれ一つずつ使った試験システムを設置し、計算精度と応答性能を検証しました。すべての要件が満たされたことを確認した後に、海洋実験施設全体の改造が始まりました。
MARINTEKのシニア・エンジニアであるFrank Andersson氏は、144軸もあるシステム全体のプログラミングが非常に簡単に実行できたことにとても驚いたと語ります。同氏は、将来のシステム拡張を自分自身で実施できるよう、このプロジェクトの開始当初からソフトウェア開発を担当しました。改修の結果、フラップ動作の精度が向上したことによって施設の波浪中試験に使える長さが拡大しました。このことは、高速船やフェリーの試験の繰り返し回数の削減につながり、試験業務の大幅な効率向上に結びつきます。
筆者について:
Dieter Kleinerは、M3000製品のカスタマーサポートとトレーニングを担当しています。また、一般産業分野と軍事分野で使われる制御システムのためのソフトウェア開発プロジェクトにも携わってきました。
Ulf Rasmussonは、北欧および北東ヨーロッパ担当のビジネスマネージャーを務めています。2004年5月に入社し、北欧地域におけるムーグのビジネス開発とマネージメントを担当しています。スウェーデンのルンド大学で電気工学の修士号を取得し、自動化技術の分野で20年以上の経験を積んでいます。







