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カールーフ・ラックメーカーのスーリー社、ムーグの新型試験機で走行中の振動をシミュレーション
文書:Pim van den Dijssel (欧州試験分野 マーケット開発マネージャー)
ムーグは、スーリーの新製品があらゆる点において既存製品に劣らない品質を保証できるよう、さまざまな形でサポートしています。カーラックシステム世界最大手のスーリーは、2008年2月、用途に特化した試験機のサプライヤーとしてムーグを選びました。この試験システムは、スーリーの製品が車のルーフに固定された際に経験すると思われる状況をシミュレートするものです。サーフボードをルーフラックに括りつけビーチに向かって高速で走行する、あるいは強い風が吹きつける中、SUVラックの上に荷物を載せて山道を走るといった状況で、走行中に生じる屈曲や振動をシミュレートします。
ムーグは、スーリーがスウェーデンのHillerstorpに新設した試験施設の開業に合わせ、試験機を納入しました。ムーグの試験システムは、スーリーの世界的業務を担う施設内部の特設地に設置され、スーリー製品の品質を保証することになります。
スーリーは、走行中にカールーフ・ラックやボックスが車にしっかりと装着され、無傷のまま確実に運ばれるようにしなくてはなりません。したがって、ラックやボックスに加えて、とりわけ製品の締め付け装置について試験を実施する必要があります。
試験は、自動車メーカーの提供するカールーフに、締め付け装置を装着した状態で行われます。開発する製品に対して持続性試験の実施を求める自動車メーカーの声は、今日ますます強くなっていると、スーリーのテクニカル・グループ・マネージャーであるFredrik Larsson氏は言います。
スーリーがムーグとの共同開発を選んだ理由について、Larsson氏は、「技術ソリューションが良かったのです。ともに仕事を進めるパートナーとして相応しく、試験分野の豊富な専門技術を活かして私たちの取り組みを効果的にサポートしてくれました」と述べています。
試験システムは、フライトシミュレーション分野の経験から生み出された
ムーグは、多軸シェーカーテーブル(MAST)を含む試験機一式をスーリーに納入しました。市場のどの製品にも似ていない独自のもので、その設計はフライトシミュレーターの設計から派生しています。ムーグのHexaTEST MASTは、底面と側面に設置されたアクチュエータによってテーブルを動かす従来の直交型のシステムとは異なり、6本の脚をもつヘキサポッド型です。ヘキサポッドには二つの正三角形のフレームが上下に組み合わせされ、オフセット角は30°です。上部の三角形の各頂点は、アクチュエータを介して下の三角形の2つの頂点に接続されています。
MASTとともに、ムーグは、セイスミック・マス(振動質量体)、油圧インフラストラクチャ、安全システム、そして制御キャビネットとオペレータソフトウェアを含むデータ取得キットを提供しました。ソフトウェアパッケージには、システムインストールのためのムーグSmartTESTと、さまざまな路面の走行をシミュレートするFasTESTオペレータソフトウェアが含まれています。
競合製品の性能仕様を凌ぐヘキサポッドの技術
ムーグは、加速と変位をベンチマークとして競合品の性能を調べ、競合品の性能仕様を上回るべく取り組んできました。ヘキサポッドの技術はすでに実証済みですが、この種の用途にヘキサポッドを使用した企業は、ムーグが初めてです。
ムーグは4年以上の期間をかけてHexaTEST MASTを開発しました。これは、テーブルが、x、y、zの3軸方向およびピッチ、ロール、ヨー方向に動く、6自由度(DOF)のシステムです。1つの軸の動きが、6台すべてのアクチュエータに影響するため、個々の自由度の制御は容易ではありません。すべてのアクチュエータは速度と時間について精密に制御されていなければなりませんが、テーブルに0.8~80Hzの周波数の振動が与えられる場合、特に高度な制御が必要になります。
MASTヘキサポッド
ヘキサポッドには多くの利点があります。
MASTは、セイスミック・マスに固定されている必要があります。これは巨大なコンクリートブロックで、装置中で振動します。MASTが小さいほどコンクリートブロックも小さくでき、ヘキサポッド型のMASTは、競合製品の3分の1から4分の1のスペースで動作可能です。それでもスーリー向けのヘキサポッドは88トンもの重さがあります。
また、この新装置では同型のアクチュエータを6つ使用するため、予備部品のコストが低く、直交型設計よりも維持費が抑えられます。
MASTを非常に低い周波数で動作させるために、セイスミック・マスには「アクティブレベル制御」機能が搭載されています。MAST下部の空気バネは、セイスミック・マスが共振を始めると自動的に起動し、その動きを補正します。MASTは、軸に沿って140mm以上の振幅で振動可能で、最大回転変位は±10°です。最大990lbsの負荷に対応できます。また、数日間連続での稼働が可能です。これは、数十万マイルの走行距離に相当します。
試験システムの提供から始まった、スーリーとの新たなビジネス
試験機を導入してから数週間のうちに、スーリーは何度かのシミュレーションを実施しました。
「この試験システムは、コンパクトで清潔なうえ、使いやすい点で非常に満足しています」とLarsson氏は述べています。
例えば、この試験システムの油圧ホースはすべてコンクリートフロアに埋め込まれています。また、柔軟性にも優れています。試験は現在のところ、室温下で行われていますが、スーリーが気候ルームを設置することになれば、試験機はさまざまな温度下でも動作可能です。今回新たに採用したムーグの試験システムについて、さらなるサポートが必要となる場合も、Larsson氏に不安はありません。
「トラブルがあっても、すぐ近くのイエテボリにムーグのスタッフがいます。彼らがすぐに駆けつけ、サポートしてくれるでしょう」とLarsson氏は言います。
ムーグは世界中の多くの大手OEM企業に試験ソリューションを供給しています。多くの場合、エンジニア同士の協力が必要とされるような成長過程のアプリケーションにおいて、卓越した技術力を発揮し、最先端のソリューションを提供しています。ムーグには革新的な試験技術の開発に数々の歴史がありますが、今回のスーリーとの共同開発によって、また一つ新たな歴史が刻まれたことになります。
著者について
Pim van den Dijsselは、欧州試験分野のマーケット開発マネージャーで、オランダのニューフェネップを拠点に活動しています。欧州における航空機および自動車の試験ビジネスに従事し、アジアやアフリカのスタッフとも連携しています。オランダのユトレヒト大学で産業オートメーションの学士号を取得し、航空機の試験ソリューションにおいて15年以上の経験を有しています。




