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高加速度を実現するFastact Jサーボモータシリーズ

文書:Andrew Barrett(一般産業向けサーボモータ担当プロダクトラインマネージャー)、Manuel Niedermann(電気機械システム担当アプリケーションエンジニアリングマネージャー)

ムーグは、新しいサーボモータシリーズ「Fastact J」の販売を開始しました。Fastact Jシリーズサーボモータは、電子整流式の永久磁石ACモータで構成され、15ミリ秒以内の位置決めを必要とする高応答サーボ用途に適しています。このシリーズは角加速度が非常に高く、競合製品とは一線を画す製品です。

高応答によるコスト削減とサイクルタイム短縮

Fastact Jシリーズサーボモータは、高性能機械メーカーとの共同作業を通じて設計されました。イナーシャが非常に小さいロータと、抜群の過負荷容量を持つ電磁設計を組み合わせた製品となっています。完全積層構造のロータは、重量およびイナーシャを最適化することにより、従来設計に比べイナーシャが大幅に抑えられています。また、高エネルギー希土類磁石を使用し、放熱効率の高い構造を採用することによって、高い過負荷容量を実現しています。その結果、負荷の加速と減速に直接使われる有効トルク値が向上し、各用途における応答性向上とサイクルタイム短縮が可能となっています(性能については末尾の仕様を参照)。

Fastact Jシリーズサーボモータ(自然冷却式と水冷式)の内部構造

1) CE/UL準拠の金属製コネクタ
2) 独自のステータ設計
3) 希土類磁石
4) 潤滑密封型メンテナンスフリーベアリング
5) 押出しアルミ材による軽量ハウジング
6) 完全積層型の低イナーシャロータ
7) フィードバック装置

ムーグは、20年以上にわたってブラシレスサーボモータの設計に携わり、高い応答性と信頼性を誇る製品を供給してきました。モジュール式設計の強みと豊富なオプションを活かし、Jシリーズサーボモータを軸に完全なカスタムソリューションを提供することができます。

統合プロセスを容易にするフレキシブルなモジュール設計

Fastact Jシリーズサーボモータには以下のオプションが用意されています。

  • 冷却オプション:自然対流式、強制空冷(ファン)、強制水冷
  • 内蔵保持ブレーキ
  • レゾルバまたはエンコーダベースのフィードバック
  • 各種コネクタオプション
  • 出力軸:加工なし、またはキー溝とキー
  • テフロン製シャフトシール(IP67等級)
  • カスタム仕様の巻線
  • カスタム仕様のシャフト、フランジ
  • カスタム仕様のフレームレス設計
  • 特殊な環境に応じたカスタム設計(高温環境、強い衝撃のある環境、油または水に浸かる用途、爆発性雰囲気、高レベルの放射線内など)

ストレートコネクタ付きの空冷式JHC5モータ(左)と水冷式JHW5モータ(右)

ムーグのサーボモータはすべて自社製造され、厳しい機械公差による管理、高精度のバランス調節、厳格な製造試験などを通じて長い耐用寿命が保証されています。信頼性の高いフィードバック装置、潤滑密封型のメンテナンスフリーベアリング、バランス精度の高いロータ(ISO 1940等級G63)、厳しい軸振れ公差(DIN 42955-R等級R)、IP65等級の構造の組み合わせにより、耐用寿命の長期化を実現しています。

各用途での成果

Fastact Jシリーズサーボモータは、様々な用途や業界で優れた成果を上げています。

高性能射出成形機(出所:Netstal Maschinen AG社)

射出成形機への導入メリット

  • 従来品よりも効率が高く(射出軸のモータを小さいものに変更しても同等の性能と圧力特性を得られる)、サーボモータとサーボドライブのコストを20~30%削減可能
  • トルク/イナーシャ比が高いため、射出速度を高めることができる
  •  充填時間の短縮により、部品の薄肉化につながる
  •  冷却時間の短縮(薄肉化)とクランプ動作時間の短縮(加速度、最大速度、減速度の向上)によるサイクルタイムの短縮
  • クランプ時に過大な外力を検知した場合に素早く減速できるため、金型の保護性能が向上する

ダイカスト機械への導入メリット

ダイカスト工程では、材料の急速な状態変化(液体から固体)や熱伝導率の高さをはじめとする特殊な条件から、充填時間の短縮と素早い減速が求められます。こうした要件を満たすことができれば、製品品質(表面と内部構造の均質性、充填率)の改善や部品の小型化・薄肉化が可能になり、品質と部品コストの面でユーザーに大きなメリットをもたらすことができます。

優れたトルク/イナーシャ比を持つFastact Jシリーズサーボモータを導入すれば、加速度・充填速度を向上すると共に、減速時間を短縮することができます。その結果、以下のようなメリットが得られます。

  • 製品品質の向上:減速時間の短縮と金型充填速度の向上により、材料の不要な状態変化を防止できる
  • サイクルタイムの短縮:充填時間の短縮による部品の薄肉化と低温化によって冷却時間が短縮
  • 製品の薄肉化による軽量化と部品コスト削減
  • 過充填リスクの低減:充填軸は金型が完全に満たされる前に減速を開始します。また減速時間の短縮により、こうした過充填防止策が充填時間全体に与える影響が抑制され、充填時間の短縮につながります。この結果、製品品質も向上できます。

仕様:Fastact Jシリーズモータ(概略)

モータ型番の説明
例:JSx3
・ J = Fastact Jシリーズ
・ S = 標準 / H = 高応答
・ X = 冷却オプション(自然対流式、強制空冷、強制水冷)
・ 3 = モータサイズ70mmフランジ

著者について

Andrew Barrettは、一般産業向けサーボモータ担当プロダクトラインマネージャーです。電気工学学士、制御電子工学修士およびMBA(経営学修士)を取得しています。エンジニアリング、業務管理、プロダクトラインマネジメントに長けています。

Manuel Niedermannは、電気機械システムのアプリケーションエンジニアリングを担当するプロジェクトマネージャーで、電気工学学士およびMAS(経営学・工学修士)を取得しています。半導体製造装置および繊維機械に関わるアプリケーションに詳しいです。