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最先端のテストコントローラが複合材料試験のリスクを低減

材料強度試験は、高度なモーション制御を必要とするアプリケーションです。試験中にかかる大きな力と、試験片を保護する必要性は、構造強度試験を実施するほとんどのエンジニアにとって共通の懸念事項になっています。特に、複合材料を対象とする試験の場合にはリスクはさらに大きくなります。

英国のシェフィールド大学では、エンジニアが2軸材料試験と呼ばれるアプリケーションを開発し、試験片に適用する応力とひずみを発生させる最先端の制御ループを構成するため、ムーグの小型テストコントローラを使っています。2軸材料試験は非常に複雑で、時間を要します。試験片にかかる応力やひずみを完全に対称に分布させる必要があり、寸分違わずに試験片を試験機の中心に据えなければならないためです。


2軸材料試験機(Mayes社製)

ムーグには、材料や部品、構造体の試験など、個々のアプリケーションを対象とするカスタム仕様のサーボコントローラの開発と応用に関して豊富な経験があります。材料試験が複雑になる原因として、以下のようにいくつかの点が挙げられます。

  1. 材料や部品に実際にかかる複雑な負荷パターンが、試験中に再現される必要があること。
  2. 新開発の材料は使用時に独特の特性を示すため、新しい用途に応用する事前に詳しく調べる必要があること。
  3. より軽量で安価なソリューションが求められていることから、次世代アプリケーションの開発における機械強度試験の重要性が増していること。

ここでは、ムーグの小型テストコントローラを既存の2軸材料試験機に組み込んだシェフィールド大学の事例について紹介します。同大学のエンジニアは、この小型テストコントローラに搭載されている最先端の機能を活用して、試験片に適用する応力とひずみを発生させる複雑な制御ループの構成を、高度な手法を用いながら容易に進めています。

背景

ムーグのソーリハル事業所(英国)は、試験およびシミュレーション分野の開発を専門とし、これまでにもシェフィールド大学とともに試験システムのアップグレードを数回に渡って担当してきました。直近では、Mayes社製の2軸試験機をオーバーホールしながら、新しい制御システムを組み込むという改修を実施しました。この2軸試験機では、鋼やアルミニウム、複合材料などの多様な材料の試験用固定具として、伝統的な十字交差型の機構を採用しています。試験対象は、原子力産業や航空機の構造部材、土木工学などで使用される材料です。

今回の試験機の改修では、ムーグの4チャンネル小型テストコントローラが新たに導入されました。試験を実施する際に必要となる複雑な制御ループは、ムーグのシステムに搭載された最先端の機能とツールによって定義されました。ムーグの小型テストコントローラは、タスクに合わせた設定変更を短時間で実行できることから、フレキシビリティとユーザー支援が要求される用途において競合製品を大きく上回る効果を発揮します。

2軸試験を行う理由

一般的な材料に複数の軸方向から負荷をかけた場合の挙動は、これまで、従来型の材料試験を数多く実施することによって明らかにされています。しかしながら、新材料や複合材料の一部については、ごく最近になるまで、複数の軸方向からの負荷に対してどのような挙動を示すのか、あまり知られていませんでした。航空機からF1レーシングカーに至るまで、安全と信頼性が重視される分野で複合材料の使用事例が増えるのに伴い、こうした材料の使用時の挙動についての理解を深める必要性が高まっています。実際の使用時においては、通常、材料は同時に複数の方向から負荷を受けます。つまり、2軸試験と同様の負荷を受けるということです。シェフィールド大学やその他の研究所は、Mayes社の2軸試験機を利用し、材料破壊の理論に裏付けされた試験データを蓄積することによって、主要な工業分野における新材料の採用を促進しようとしています。

2軸試験機の構成

2軸材料試験の課題

基本的な2軸試験は、十字型に交差させた方向から荷重をかけて、材料の基本的な特性を計測します。試験片には、貫通穴や負荷締結部、衝撃破損部などが設けられます。この試験機は、試験片に十字形のものを使用するため、十字交差型と呼ばれます。


2軸試験の試験片

複合材料の中には、本質的に異方性(方向によって物性が異なる性質。逆に、全方向に対して均一な性質は「等方性」という)の特徴を持つものがありますが、こうした材料に2軸の負荷をかけた場合の強度は、試験荷重に対する材料内の繊維の向きによって変化します。試験荷重の方向と繊維方向がほぼ一致する場合、試験片の強度は通常の1軸試験の場合よりも高い値が得られ、より実際の使用時に近い状態を再現することができます。

こうした2軸試験は、非常に複雑になることでよく知られています。試験片にかかる応力やひずみを完全に対称に分布させるため、寸分違わずに試験片を試験機の中心に据えなければならないためです。そのため、試験システムでは、試験片が完全な中心で保持されるように、変位と力の両方を制御する必要があります。

ムーグ小型テストコントローラの導入

ムーグの小型テストコントローラは、力、変位、加速度に対する独自の制御ループ技術を搭載し、最大4つのサーボチャンネルを含む試験に対応します。スタンドアローン型コントローラとして、またはPCと連携させて使用することができます。

ムーグの小型テストコントローラは、2軸試験における変位と力を、「ユーザー定義チャンネル」と「仮想チャンネル」を使って制御するために導入されました。仮想チャンネルは、変換器からのフィードバックを使って関数計算を実行できる計算チャンネルで、例えば力のフィードバックに負荷アームの距離を掛けてトルク値を計算し、制御ループに入力することができます。

スード仮想チャンネルは、試験片を試験機フレーム内で完全な中心に保つために使用されています。一方、ユーザーチャンネルは、試験片に対して完全に対称な動的荷重を適用するのに使われています。一般的に、動的な力の信号は、2つの制御軸に対して同時に適用することができます。

ここで最も重要なポイントは、小型テストコントローラの設定によって、2軸制御から従来型の1軸制御に簡単に切り替えられるようにしたことです。これによって、セットアップと試験にかかる時間が大幅に短縮されました。

結論

ムーグが担当し、昨年終了したMayes社製2軸試験システムの改修プロジェクトでは、試験機の設置と校正に加え、シェフィールド大学の技術スタッフに対するトレーニングも実施されました。今回の2軸試験機への導入によって、小型テストコントローラの使用台数は7台になりました。

機械工学科の実験担当教官を務めるMike Rennison氏は、次のように述べています。「ムーグの小型テストコントローラを選んだ理由は、市販されている他社の製品と比べて機能が充実し、高いフレキシビリティを備えているからです。また、このコントローラを導入した結果、顧客から要求される新しい課題に応えて、装置を順次更新できるようになりました。これまでに小型テストコントローラを導入したプロジェクトはすべて成功しているので、今後もムーグに追加の装置を注文する予定です」。

参考: ムーグ小型テストコントローラの概要

小型テストコントローラは、主要な試験施設の顧客の声をもとに設計され、幅広い試験用途において簡単かつ効率のよいオペレーションを可能にする理想的な製品です。ムーグの小型テストコントローラは、その高いフレキシビリティにより使いやすさと幅広い試験用途におけるコスト効果の高いオペレーションを実現し、ビルトインされた最先端の安全確認機能により被試験材料と試験データを保護し、基本的な用途から複雑な用途に至るまで高性能のオペレーションを可能とするなどの利点を備えています。現在、世界各地の試験施設に導入されている小型コントローラの制御チャンネル数は5,000を超え、実績ある製品として試験の専門技術者から高い信頼を獲得しています。

特長

  • 最大4チャンネルまで拡張可能な最新制御
  • 持ち運び可能なスタンドアローン型テストコントローラ
  • セットアップ時間を短縮し、最新制御ループ(例:力、変位、加速度)が試験の効率化に貢献
  • 簡単な操作で、必要な機能のみを追加できるため、コストパフォーマンスの高い統合が可能
  • データ収集機能内臓、オシロスコープディスプレイ、内臓ハードディスクへのデータ保存により、試験が簡単になり、設置場所と運営コストの両方の節約
  • 油圧式、電気式、空気圧式のいずれのアクチュエータにも対応
  • 簡単なコネクタ接続により、低コストで迅速に統合化を実現
  • 入力データや数式をオンラインで計算して出力するスードチャンネル(仮想チャンネル)機能により、高いフレキシビリティとコストパフォーマンスを発揮
  • マトリックス制御によって測定と制御の柔軟性が高まり、より効率的な試験が可能
  • デュアルモード、バンプレススイッチング(力制御と位置制御など)により、用途の全範囲をカバー可能
  • 振幅と位相用のオンライン適応制御によってセットアップ時間が短縮
  • 校正およびチューニングウィザードがセットアップを促進、加速
  • 複数のユニットを使用して32チャンネルのテストコントローラに拡張可能

著者について

Paul Garnerは、シニア・テスト・セールスおよびアプリケーション・エンジニアです。同氏は、ウルヴァーハンプトン・ポリテクニックで機械工学を、オープン大学でコンピュータ・テクノロジーを専攻しました。