ニュースレター
ポンプによるガスタービン燃料効率の向上
エネルギーコストが急上昇を続けている現在、デュアルファンガスタービンのメーカーは、運転効率の向上とともに、厳しさを増す排出要件に対応する方法を常に模索しています。これらのニーズを満たすために重要な役割を果たすのが、タービンのバーナーに供給する液体燃料を直接制御する液体燃料計量機能です(ディーゼルエンジンの燃料供給に相当)。ムーグでは、20年以上にわたって、燃料計量技術の性能向上の取り組みを進めてきました。この分野におけるムーグの最新製品について紹介する前に、この最新のソリューションがどのように発展してきたのかを振り返ります。

ムーグの燃料計量マニフォールド
既存のテクノロジー
ムーグの既存の燃料計量ソリューションは、カスタム仕様のマニフォールドシステムと固定容量ポンプから構成され、単段または複数段のバーナーシステムに供給する燃料の流れを制御します。主要なシステム制御要素は、バーナーに送られる燃料の流量を制御するムーグの高精度直動弁(DDV)と、溢れた余分な燃料をタンクに戻す油圧機械式のバルブです。
すべての制御装置は単一のマニフォールドに組み付けられ、試験ならびに調節済みの状態で提供されるため、装置間を配管で接続する必要がなく、コンパクトで信頼性の高いソリューションとなっています。
この方式では、燃料の計量誤差が最大1%という非常に高い精度を実現できる一方、溢れた燃料により熱が発生し、エネルギー損失につながる欠点がありました。
ムーグの新しいRKPポンプのアプローチ
そこで開発された新しい手法では、簡素化した燃料計量マニフォールドに可変容量ポンプを組み合わせた単一のアセンブリーを用いています。ムーグの高精度直動弁を引き続き使用していますが、より高度な制御機能を備えたポンプによって燃料を必要な分だけを供給できるため、余分な燃料が溢れることはありません。
パイロットバーナーとメインバーナーに対しては、ほぼ縦並びに配置した個別の可変容量ポンプから燃料が供給されます。これによって、既存のポンプ1台のみのシステムソリューションにおいて発生していた、異なる方向の燃料流れによる相互干渉は解消されました。
カスタム設計のムーグRKPポンプには、バーナーの圧力を感知して、必要な流量のみを正確に供給する油圧機械式の補正装置が組み込まれています。

ムーグのRKP燃料計量機
社内受入検査の例: 流量とコマンドの関係は、非常に優れた再現性を示しています。

E114 RKPの流量特性
この補正装置の主な特長は、燃料の要求量の変化に対して非常に素早く反応し、タービンの出力需要の急激な変化に対応することです。
このテクノロジーは、100barの圧力で最大100リットル/分の燃料流量が要求される、出力15MWまでのクラスのタービンにすでに応用されています。対応する主な燃料には、ディーゼル燃料やディーゼル誘導燃料などがあります。このシステムは、ATEX指令のグループⅡ、カテゴリー3の危険エリアで使用可能な認証を取得しています。
主なメリット
ガスタービンユーザーに関わるムーグRKP燃料計量システムのメリットは以下の通りです。
- 統合型の構造による信頼性の向上
- 燃料計量精度の向上による燃料消費量の低減
- ポンプの効率向上によるエネルギーコストの低減
- 統合型の構造による設置作業の簡素化
- 単一の標準パッケージによるモジュラーレンジ
- 独立した燃料計量流路によるスタートアップ性能の向上
この新型計量システムは本生産向けの開発が完了し、大手の電力会社で、5つの異なるサイズのタービンに導入されています。
今後の開発予定としては、中規模のタービンが要求する流量に対応するため、ポンプの大型化とマニフォールドの最適化に取り組むことが決まっています。
著者について
著者: Martin S. Jones、ニッチおよび新興市場マネージャー、
Geoff Carson、セールスエンジニア、テュークスベリームーグ
Geoff Carsonは、テュークスベリームーグに勤務するセールスエンジニアです。Geoffは最近まで、発電市場向けポンプを主に扱うエンジニアリング部門で勤務していました。そこでの担当業務には、RKP-IIポンプの燃料計測用途への応用業務などがありました。Geoffは、ムーグに入社して15年になります。
Martin S. Jonesは、世界のモータースポーツ関連ビジネス担当と、ヨーロッパのニッチおよび新興市場のマーケットマネージャーを兼務しています。ムーグでは、セールス担当およびアプリケーション・エンジニアとして30年間勤務し、可搬装置、海洋およびオフショア機器、ブロー成型、圧延装置を含む幅広い業界向けの業務に関わってきました。Jonesは、イースト・アングリア大学で物理学と経済学を専攻しました。



