リニアモータFAQ

モータに関する頻出質問に対する回答

 

一般

標準巻線と高応答の巻線の違いは?
ムーグのリニアモータの熱処理方法は?
リニアモータで使用できる電圧ドライブは?
ムーグのフィードバック装置を備えたリニアモータの整流信号とシーケンスのタイプは?
このリニアモータの電気周波長は?
モータ軸にかけられる横からの荷重は?
モータ軸にかけられるトルクは?
モータ軸は回転しますか?
モータは力の制御に使用できますか?

摩擦

現行モータの静摩擦けん引力と動摩擦けん引力は?
通常の生産単位でのこの力の変動範囲は?
摩擦けん引力を生じる垂直抗力の源と変動性を解析することはできますか?

ディテント力

ムーグのカタログに仕様「ディテント力(ピーク)」が記載されていますが、この仕様はどのように定義、測定されていますか?
磁気ディテント力の仕様を教えてください。

物理的公差

ICD-50602のインターフェース制御図面を拝見しました。モータ軸の直径許容公差を教えてください(50.800mm+0.xxx-0.xxx mm)。
モータ軸の先端の、エンドストップを除く部分の許容公差(軸外径に対する平坦度と垂直度)は?
軸と軸受の接触面の名目上のクリアランスと許容公差は?

軸受

現行の軸受の推定寿命は?
耐久試験の結果を教えてください。
軸受ソリューションは以前のシリーズからどのように変わりましたか?
現行の軸受システムの側面荷重制限は?

歪んだコイル

現行シリーズの「コイル歪み」の実施と、あればトレードオフ(力定数の低下など)について教えてください。

性能公差

モータ間で予想される仕様公差の種類を教えてください?
位置に対する力定数の変動について、予想できることはありますか?

LPエンコーダ

LPエンコーダの精度と分解能は?
リニアモータの動作原理を説明してください。
アブソリュートエンコーダを使用するモデルを作りますか?計画されている場合、推定される分解能と精度を教えてください。

 

 

一般

Q: 標準巻線と高応答の巻線の違いは?

A: 標準巻線のモータの方が高応答の巻線よりもインダクタンスと力定数が高くなります。標準応答モータは質量の大きいシステムや高い精度を必要としないシステムで使用されます。高応答の巻線は高精度または極めて動的なモーションに使用されます。

Q: ムーグのリニアモータの熱処理方法は?

A: ムーグモータには固定子内に95° Cの熱スイッチを備えています。これらは制御システムに接続して監視できるよう設計されています。固定子がモータの定格温度を超えるとスイッチが開きます。制御システムがスイッチの開放を検出した時は、モータをシャットダウンする必要があります。

Q: リニアモータで使用できる電圧ドライブは?

A: 240 VAC以下を使用するサーボドライブが、このリニアモータで使用することができます。208 VAC未満の電圧を使用すると、公表されているピーク速度や動的応答の性能が低下します。

Q: ムーグのフィードバック装置を備えたリニアモータの整流信号とシーケンスのタイプは?

A: このリニアモータに搭載されているフィードバック装置の整流信号はデジタル120°です。ムーグのフィードバック装置を備えていないモータには、整流信号がありません。

Q: このリニアモータの電気周波長は?

ムーグモータの電気周波は0.0234mです。

Q: モータ軸にかけられる横からの荷重は?

A: リニアモータは、横から外部荷重をかけるように設計されていません。軸受に横荷重がかかると、軸受の摩耗が進みモータの寿命を縮めます。軸に横荷重がかかると、ムーグ供給のフィードバック装置にずれが生じる恐れもあります。

Q: モータ軸にかけられるトルクは?

A: リニアモータ軸にトルクをかけるのが問題となるのは、LCタイプのエンコーダを使用しているときのみです。エンコーダを使用しているときは、トルクがかかると内部の回転防止表面に摩耗または結合が生じ、最終的にはエンコーダのずれによるフィードバック信号の喪失につながる可能性があります。LCタイプのエンコーダを備えていないモータでは、軸は自由に回転できます。

Q: モータ軸は回転しますか?

A: リニアモータ軸の回転によってモータの推進力に影響が出ることはありません。軸を回転させる位置フィードバックセンサがなければ軸モータは回転しません。LCタイプのエンコーダでは回転しません。軸の回転が持続するとモータの軸受寿命を縮める恐れがあります。

Q: モータは力の制御に使用できますか?

A: ムーグモータは力を制御する閉ループ力のサーボシステムでその性能を発揮し、正確に機能します。閉ループ力のサーボ制御なしに力を制御すると精度が低下する傾向にあります。制御ループに補償テーブル(位置、温度、速度)を追加して開ループ力制御の精度を向上させることができます。

摩擦

Q: 現行モータの静摩擦けん引力と動摩擦けん引力は?

A: 静摩擦は時間に依存するため大きく変動します。この値は、停止位置にあるときの非常に短い滞留時間での動摩擦から、数日間停止した状態での動摩擦の約2倍まで変動します。

Q: 通常の生産単位でのこの力の変動範囲は?

A: 50206モータでは、モータ間の摩擦は最高25 kgfから最低で最高値の約½または12 kgfまで変動します。

Q: 摩擦けん引力を生じる垂直抗力の源と変動性を解析することはできますか?

A: けん引力を生じる垂直抗力は主に次の2つの現象に基づいています。

1)軸と固定子の間の磁力によりけん引力が生じます。この力は磁石の磁気の強さ、磁石と固定子の相互作用範囲、そして固定子内の軸の「中心」からの距離に依存します。理想的には軸は固定子内の中心となりますが、物理的制約により変動があります。軸受はクリアランスがないと機能しません。また、軸と軸受の直径には許容公差があるはずです。軸の生産で蓄積した許容公差に基づく、軸の物理的な中心に対する軸の磁気中心にも変動があります。軸の真直度も軸の磁気中心に影響します。そして最終的には、固定子へのエンドプレートの組み付けに許容公差が生じます。ムーグリニアモータの高い推進力を得るためには、これらのクリアランスと許容公差はすべて非常に小さい空隙に収める必要があります。

2)エンドプレートと軸の間の溝にあるワイパーの緊張はさらにけん引力を生じます。この力は軸、エンドプレート、ワイパー、およびモータアセンブリの許容公差に応じて変動します。

ディテント力

Q: ムーグのカタログに仕様「ディテント力(ピーク)」が記載されていますが、この仕様はどのように定義、測定されていますか?

A: この仕様はモータの抵抗におけるピーク変動(ピーク間変動に対して)として定義されています。上記の摩擦セクションで説明されている抵抗は、DCオフセットと考えることができ、ディテントはAC変動性と考えることができます。ディテントや抵抗は、モータの電源を切り、軸をストロークの端から端まで引き抜いて測定します。力変換器が力を記録し、位置センサが軸の線形位置を記録します。続いて位置に対する力のグラフが作成されます。けん引力とディテント力が仕様を超えないようにします。この試験は受入試験の一環としてすべてのモータで行われます。

Q: 磁気ディテント力の仕様を教えてください。

A: 最新の仕様は5 kgfです。現在のモーターに加えられた改良点の1つはディテント力の低減です。

物理的公差

Q: ICD-50602のインターフェース制御図面を拝見しました。モータ軸の直径許容公差を教えてください(50.800mm+0.xxx-0.xxx mm)。

A: 50.749 mm+0.0254-0.0000 mmです。

Q: モータ軸の先端の、エンドストップを除く部分の許容公差(軸外径に対する平坦度と垂直度)は?

A: 垂直度は外径にたいして0.051。平坦度は個別に管理されていません。

Q: 軸と軸受の接触面の名目上のクリアランスと許容公差は?

A: 軸受の内径寸法は50.851+0.0254-0.0127 mm
軸の外径寸法は50.749+0.0254-0.0381 mm
以上よりクリアランスは0.102+0.0000-0.0381 mmとなります。

軸受

Q: 現行の軸受の推定寿命は?

A: 運動距離で+10億インチ(25,400 km)以上です。

Q: 耐久試験の結果を教えてください。

A: 外部側面荷重なしの2回のモーターの試験では運動距離で20億インチ(50,800 km)と40億インチ(101,600 km)以上の耐久寿命が示されました。2回の試験は2つの異なる速度と軸荷重で行われました。荷重の高い低速の試験は運動距離指標20億インチ(50,800 km)で終了しました。荷重の低い高速の試験は運動距離指標40億インチ(101,600 km)で終了しました。これらの試験中、オイルタンクは運動距離1億インチ(2,540 km)ごとに満タンにしました。これら2つの試験の継続時間は24時間週7日稼働でそれぞれ約4年間と3年間です。

Q: 軸受ソリューションは以前のシリーズからどのように変わりましたか?

A: 以前のモータの軸受材料は現在のモータで使用されているものと同じです。前シリーズの軸受試験の故障モードはオイルの消耗だったため、現在のシリーズでは軸受裏側のオイルタンクの容量を増やしており、タンクは再充填可能になっています。現在シリーズの結果で見られるように、オイルの補給を続けることで、故障モードがなくなりました。

Q: 現行の軸受システムの側面荷重制限は?

A: 軸受はかなりの側面荷重をかければ使用できますが、軸受の寿命は縮みます。通常、軸がモータ面から254 mm以内にあるときは、側面荷重を23 kgf未満に保つことをお勧めします。ストロークが長い場合は、最大側面荷重を下げてください。

歪んだコイル

Q: 現行シリーズの「コイル歪み」の実施と、あればトレードオフ(力定数の低下など)について教えてください。

A: 「歪んだコイル」というのは、実際は誤称または略称です。固定子の歯先がモータの軸に垂直な平面に対し角度が設定されています。軸の磁石が一度に歯の端全てに面することはないため、歪みはディテント力を低下させますが、歯の端にはわずかに面することもあります。歪みの結果として公称加圧力が低下します。幸い、公称加圧力の低下はディテント力の低下よりも小さくなります。このため、結果として谷側における正味の力が、位置に関係なく作業を行う際の力となります。またモータの仕様に記載される力となります。

性能公差

Q: モータ間で予想される仕様公差の種類を教えてください。公表されている仕様は公称値だと思うのですが? 力定数、逆起電力、ディテント力、および摩擦などに最も関心があり、抵抗またはインダクタンスの許容公差は問題にはならないと考えています。

A: 業界標準では公称仕様を引用していても、ムーグでは「最低値」仕様を選択しました。円筒型リニアモータ技術は新しかったため、ムーグではお客様が常に確実に仕様を満たすことができるようになればと考えました。

Q: 位置に対する力定数の変動について、予想できることはありますか?

A: 力定数は、主にディテント力と抵抗の変化を基に、位置に応じて変動します。これら2つの力は通常、モータが生じる力とは無関係です。そのため、この質問に直接答えることはできかねます。

LPエンコーダ

Q: LPエンコーダの精度と分解能は?

A: LPエンコーダの精度は、スケールとして使用される軸の構造によって決まります。精度は運動距離100 mm当たり0.5 mmです。分解能は5 μです。再現性は10 μです。

Q: リニアモータの動作原理を説明してください。モータに使用している磁石では磁石間の磁場強度が均等ではないでしょうか?

A: 基本的な動作原理としては磁場の形状を測定するため、磁気周期における位置の決定が強度に大きく左右されることはありません。これによりこの技術の分解能と精度の性能が向上します。

Q: アブソリュートエンコーダを使用するモデルを作る予定ですか?は計画されていますか?計画されている場合、推定される分解能と精度を教えてください。

A: ムーグでは、製品ラインに何を追加すればビジネスの面でも有益かを判断している過程であり、アブソリュートエンコーダの追加は検討中です。決定が下されエンジニアリング作業が開始されれば、推定される分解能と精度を提示することができます。