独立ピッチ制御のための負荷測定システム
kWhあたりの発電コストを最小化するため、風力発電機の大型化と高出力化に向けた開発が進められています。風力発電機の大型化は、ローター直径が大きくなることを意味します。
大型のローターは、掃引領域における風速や風力の変化にさらされやすく、以下のような影響を受けます。
- ブレード、主軸、構造部材に対する非対称の負荷
- 効率の低下
- 構成部品の摩耗の増加
- 保守のためのダウンタイムの増加
- 早期の機械的不具合
ソリューション
独立ピッチ制御(IPC)機能付きのピッチ制御システムを導入すれば、個々のブレードのピッチ角を1回転の間に何度も動的に調節でき、不均一な負荷を軽減することができます。こうしたシステムは、ローターの負荷を最適化し、ブレード、ドライブトレイン、タワーにダメージを与える曲げモーメントがかかるのを防止することができます。
ムーグのIPCシステムは風力発電機のブレードピッチ制御システムに、個別のブレードから得た高精度かつリアルタイムな負荷情報を提供します。リアルタイムの負荷情報に対応してブレードピッチを的確に管理することにより、ブレード、ドライブトレイン、およびタワーにかかる負荷を軽減できます。
ブレードの負荷を管理することによって構成部品の摩耗、ダウンタイム、保守費用を低く抑え、風力発電機の運転時間を増やして効率を向上し、摩擦を減らして風力の利用率を向上させることができます。さまざまな調査の結果、風力発電機の主要な構成部品の疲労負荷と極限負荷は10~30%低下し、これによって耐用寿命が延び、部品関連のコストが抑制されることが確認されています。
一部の風力発電機メーカーは、既存のプラットフォームにIPCシステムを追加することで、既存の機械に従来よりも大型のブレードを取り付けてより高い負荷に耐えるように現在のプラットフォームをアップグレードさせ、それにより新型風力発電機開発コストの大幅な削減を果たしました。
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風力発電機メーカーとユーザーによるIPCの活用方法
- 既存の機械の効率向上
- 風力発電機の概念設計の段階におけるコスト削減
- 信頼性の向上
- 次世代型の風力発電機の開発
ニュース
米Moog Inc.がInsensys社(本社:英国、サウサンプトン)を買収したことに伴い、風力発電機の荷重計測に利用できる独自の光ファイバーセンサー技術を獲得しました。Insensys社は、風力発電機の独立ピッチ制御(IPC)とローターモニタリングに使われる光ファイバー荷重計測システムの主要サプライヤーです。